- トップページ
- エコ弁当の容器(PLA)について
「」の容器(PLA)について
現在、世界的に問題となっている「海洋ゴミ」。その殆どが、生分解できない「プラスチック製品」であることも、周知の事実だ。
2019年6月28日、29日の二日間に亘って開催されたG20サミットでも、プラスチックごみによる海洋汚染問題が大きなテーマの一つとなった。
砕けたものだ。これが海に広がると回収できず、半永久的に分解しないため、海のごみとしてたまり続けることになる。
これは海の生物にも多大な影響を及ぼしており、例えば東京湾のイワシの約8割からMPが検出されたり、海水から作る天然塩の殆どに
MPが含まれているという調査結果も出ている。
これらは決して看過できない問題であり、日本では、2035年までに総てのプラごみを有効利用する目標を掲げる「資源循環戦略」のほか、
プラごみの海洋流出を防ぐための行動計画を5月に決定。海洋ゴミ問題だけでなく、石油由来のプラスチックは、焼却すればCO2が発生し、
地球温暖化の大きな要因となる。そのため、欧米やカナダでも、使い捨てプラスチック製品を禁止する動きが進んでいる。
【日本及び海外の大手メーカーの動き】
・キリンビバレッジ→リサイクル素材100%のペットボトル商品を投入。
・日本コカ・コーラ+セブン&アイHD→店頭で回収したペットボトルを100%使用した、リサイクルペットボトル商品を発売
(2019年6月から)。
・米スターバックス→全世界2万8000以上の店舗で使用している、年間10億本ものプラスチックストローを、2020年までに全廃する。
・ガストやバーミヤン、ジョナサンなどのファミリーレストランを展開する、すかいらーくホールディングス→2020年の東京オリンピック
までにプラスチックストローの原則廃止を発表。
・世界的飲料水メーカー、エビアン→2025年までに、100%リサイクルされた再生プラスチックでペットボトルを作ると発表。
このように、日本国内はもちろんのこと、世界的に脱プラスチックが進む中、日本の省庁でも、2019年4月から庁舎内でのレジ袋や
プラスチック製ストローが禁止された。
だが驚くことに、大量のプラごみの原因となる使い捨てお弁当容器については、代替品が困難として、規制を見送ったのである。
そうした中弊社では既に、石油由来でなく植物由来の、100%生分解性の使い捨て容器の開発に成功。元々お弁当容器の主流である
、石油製品発泡スチロールを使用せず、紙製の箱を使用して来た弊社には、他社より容易にこうした取り組みが出来る下地があったと言える。
キッカケは、2018年に頂戴した、一つのご注文であった。環境問題をテーマに入れたセミナーでお弁当を提供したいのだが、プラスチック
素材を一切使わないお弁当は出来ないか?というものであった。
某大手弁当製造販売会社から断られ、色々な百貨店の売場を廻っているうち、もしかしたらみやびさんなら出来るかもしれない?とアプローチ
したとのこと。目を付けたのは、やはり「ほとんどが紙製パッケージである」という点だったそうだ。
とは言え、今やプラスチック製のインナーを使用しているお弁当も多く、紙製の仕切りを使ったお弁当でも、プラスチック製のカップを使用
することが多い。また、出来上がったお弁当が乾かないようにかけるフィルムも、プラスチック製である。これら総てをプラスチック以外の
製品に切り替えるのは、並大抵のことではなかった。
さらに、金額的にもかなり上乗せになる。例えば前述のフィルムは1枚0.2円で済むのに、これを和紙に替えると7円になってしまう。
だが、地球環境を守って行くためには、絶対に必要なことだという弊社社長宮﨑の考えで、これを推し進めた。
そしてついに辿り着いたのが、PLAという素材。これでインナーを作ることによって、脱プラスチック弁当が容易になる。
フィルムもPLAから作ることが出来た。総ての商品がこの7月半ばに出来上がるので、それ以降石油製品を使用しないお弁当の販売が可能に
なる。
PLAとは、ポリ乳酸(ポリにゅうさん、polylactic acid、polylactide)のこと。これは乳酸がエステル結合によって重合し、長く繋がった
高分子。環境中の水分により加水分解を受け低分子化され、微生物などにより最終的には二酸化炭素と水にまで分解される。つまり、生分解性の
素材である。
ポリ乳酸は植物起源の素材から合成できるため、バイオプラスチックの一つである。ブドウ糖(グルコース)や砂糖(スクロース)などに
乳酸菌を作用させると、その発酵作用により乳酸が得られ、これを合成する。原料は、トウモロコシやサトウキビが多く使われる。
PLAは、微生物によって最終的に二酸化炭素へ分解されて大気中に放出されるが、植物は大気中の二酸化炭素を吸収してデンプンを合成して
いるため、トータルで見て地球温暖化の原因とされる二酸化炭素の量を増やすことがない。こうした性質は「カーボンニュートラル」と言われ、
現在注目を集めている。
我が国では、こうした素材について、諸外国に比べて少々遅れている部分があるのは否めず、折角地球環境に優しいPLAでも、「合成樹脂で
ある」という点で広義のプラスチック製品に含まれるとの考えから、「プラマーク」をつけなければならない。
そのため非常に誤解を招くが、間違いなく「脱石油系プラスチック」であり、「植物由来」且つ「100%生分解性」であり、地球上のCO2を
増やさない「カーボンニュートラル」な製品である。
そこで弊社では、プラマークの他に、米国プラスチック産業協会(SPI)の表示マークが元になった国際的な樹脂識別コード(現在日本では
あまり使用されていない)で、PLAなどバイオプラスチックを含む「その他(OTHER)」を示す7という番号を併記することにした。
【米国プラスチック産業協会(SPI)によるプラスチックの材質表示マーク】
現在、官民ともに世界から後れを取るまじと、脱プラスチックに取り組んでいる。例えばレジ袋に、下記のような表示がある物も存在する。
弊社では、「できることから、少しずつ。」をスローガンに、「食べておいしく、地球にやさしいお弁当」を販売して行くことを目指す。
脱石油系プラスチック化を進めている旨をお客様にもご理解いただくことで、ある意味問題提起にもなり、またこうした考えを広めて行く
一助になればと願っている。
※画像左:弊社のオリジナルBOX外観。エコを考慮して、未晒しの紙を使用した/中:箱内側。蓋裏面に容器のコンセプトを明記、透明フィルムを和紙に/
右:PLAインナーの他、青笹の仕切りや紙製カップ、木製品を使用。
※「」商標登録番号:第6311017号
2019年6月28日、29日の二日間に亘って開催されたG20サミットでも、プラスチックごみによる海洋汚染問題が大きなテーマの一つとなった。
プラスチックの9割はリサイクルされず、世界で毎年約800~1300万トンとも言われるプラごみが海に流れ込んでいる。
プラごみのうち、大きさが5ミリ以下のものがマイクロプラスチック(MP)と呼ばれる。ペットボトルやレジ袋などが紫外線で劣化して砕けたものだ。これが海に広がると回収できず、半永久的に分解しないため、海のごみとしてたまり続けることになる。
これは海の生物にも多大な影響を及ぼしており、例えば東京湾のイワシの約8割からMPが検出されたり、海水から作る天然塩の殆どに
MPが含まれているという調査結果も出ている。
これらは決して看過できない問題であり、日本では、2035年までに総てのプラごみを有効利用する目標を掲げる「資源循環戦略」のほか、
プラごみの海洋流出を防ぐための行動計画を5月に決定。海洋ゴミ問題だけでなく、石油由来のプラスチックは、焼却すればCO2が発生し、
地球温暖化の大きな要因となる。そのため、欧米やカナダでも、使い捨てプラスチック製品を禁止する動きが進んでいる。
【日本及び海外の大手メーカーの動き】
・キリンビバレッジ→リサイクル素材100%のペットボトル商品を投入。
・日本コカ・コーラ+セブン&アイHD→店頭で回収したペットボトルを100%使用した、リサイクルペットボトル商品を発売
(2019年6月から)。
・米スターバックス→全世界2万8000以上の店舗で使用している、年間10億本ものプラスチックストローを、2020年までに全廃する。
・ガストやバーミヤン、ジョナサンなどのファミリーレストランを展開する、すかいらーくホールディングス→2020年の東京オリンピック
までにプラスチックストローの原則廃止を発表。
・世界的飲料水メーカー、エビアン→2025年までに、100%リサイクルされた再生プラスチックでペットボトルを作ると発表。
・マクドナルド→プラスチック製ストローを紙製に切り替え。英国とアイルランド
では、2019年内に、他の国でも順次テストを始める。
また、2025年までには、全世界の全店舗で、プラスチック製ストローを廃止
するだけでなく、提供する全てのパッケージ(ハンバーガーを包む包装紙や
箱、袋など)をリサイクル可能な製品に切り替えることを目指す。
・ニューヨーク市→2019年1月に、使い捨て発泡スチロール容器の使用を禁止する
法律が施行された。違反すると罰金$1,000
※右の画像は、ニューヨーク市のポスター
では、2019年内に、他の国でも順次テストを始める。
また、2025年までには、全世界の全店舗で、プラスチック製ストローを廃止
するだけでなく、提供する全てのパッケージ(ハンバーガーを包む包装紙や
箱、袋など)をリサイクル可能な製品に切り替えることを目指す。
・ニューヨーク市→2019年1月に、使い捨て発泡スチロール容器の使用を禁止する
法律が施行された。違反すると罰金$1,000
※右の画像は、ニューヨーク市のポスター
このように、日本国内はもちろんのこと、世界的に脱プラスチックが進む中、日本の省庁でも、2019年4月から庁舎内でのレジ袋や
プラスチック製ストローが禁止された。
だが驚くことに、大量のプラごみの原因となる使い捨てお弁当容器については、代替品が困難として、規制を見送ったのである。
そうした中弊社では既に、石油由来でなく植物由来の、100%生分解性の使い捨て容器の開発に成功。元々お弁当容器の主流である
、石油製品発泡スチロールを使用せず、紙製の箱を使用して来た弊社には、他社より容易にこうした取り組みが出来る下地があったと言える。
弊社の取り組みについて
キッカケは、2018年に頂戴した、一つのご注文であった。環境問題をテーマに入れたセミナーでお弁当を提供したいのだが、プラスチック
素材を一切使わないお弁当は出来ないか?というものであった。
某大手弁当製造販売会社から断られ、色々な百貨店の売場を廻っているうち、もしかしたらみやびさんなら出来るかもしれない?とアプローチ
したとのこと。目を付けたのは、やはり「ほとんどが紙製パッケージである」という点だったそうだ。
とは言え、今やプラスチック製のインナーを使用しているお弁当も多く、紙製の仕切りを使ったお弁当でも、プラスチック製のカップを使用
することが多い。また、出来上がったお弁当が乾かないようにかけるフィルムも、プラスチック製である。これら総てをプラスチック以外の
製品に切り替えるのは、並大抵のことではなかった。
さらに、金額的にもかなり上乗せになる。例えば前述のフィルムは1枚0.2円で済むのに、これを和紙に替えると7円になってしまう。
だが、地球環境を守って行くためには、絶対に必要なことだという弊社社長宮﨑の考えで、これを推し進めた。
そしてついに辿り着いたのが、PLAという素材。これでインナーを作ることによって、脱プラスチック弁当が容易になる。
フィルムもPLAから作ることが出来た。総ての商品がこの7月半ばに出来上がるので、それ以降石油製品を使用しないお弁当の販売が可能に
なる。
PLA素材について
PLAとは、ポリ乳酸(ポリにゅうさん、polylactic acid、polylactide)のこと。これは乳酸がエステル結合によって重合し、長く繋がった
高分子。環境中の水分により加水分解を受け低分子化され、微生物などにより最終的には二酸化炭素と水にまで分解される。つまり、生分解性の
素材である。
ポリ乳酸は植物起源の素材から合成できるため、バイオプラスチックの一つである。ブドウ糖(グルコース)や砂糖(スクロース)などに
乳酸菌を作用させると、その発酵作用により乳酸が得られ、これを合成する。原料は、トウモロコシやサトウキビが多く使われる。
PLAは、微生物によって最終的に二酸化炭素へ分解されて大気中に放出されるが、植物は大気中の二酸化炭素を吸収してデンプンを合成して
いるため、トータルで見て地球温暖化の原因とされる二酸化炭素の量を増やすことがない。こうした性質は「カーボンニュートラル」と言われ、
現在注目を集めている。
我が国では、こうした素材について、諸外国に比べて少々遅れている部分があるのは否めず、折角地球環境に優しいPLAでも、「合成樹脂で
ある」という点で広義のプラスチック製品に含まれるとの考えから、「プラマーク」をつけなければならない。
そのため非常に誤解を招くが、間違いなく「脱石油系プラスチック」であり、「植物由来」且つ「100%生分解性」であり、地球上のCO2を
増やさない「カーボンニュートラル」な製品である。
そこで弊社では、プラマークの他に、米国プラスチック産業協会(SPI)の表示マークが元になった国際的な樹脂識別コード(現在日本では
あまり使用されていない)で、PLAなどバイオプラスチックを含む「その他(OTHER)」を示す7という番号を併記することにした。
【米国プラスチック産業協会(SPI)によるプラスチックの材質表示マーク】
1.ポリエチレンテレフタラート (PET) 飲料用ボトル、カップ、その他の包装など
2.高密度ポリエチレン (HDPE) ボトル、カップ、ミルク差しなど
3.ポリ塩化ビニル (PVC) パイプ、壁板、床張り材など
4.低密度ポリエチレン (LDPE) ポリ袋、シックスパックリング(英語版)、
管材料など
5.ポリプロピレン (PP) 自動車材料、工業用繊維、食品容器など
6.ポリスチレン (PS) プラスチック製家庭用品、発泡スチロール、カフェテリア
トレーなど
7.その他のプラスチック(アクリル樹脂・ナイロン・ポリカーボネート・ポリ乳酸
(PLA)などバイオプラスチック)
2.高密度ポリエチレン (HDPE) ボトル、カップ、ミルク差しなど
3.ポリ塩化ビニル (PVC) パイプ、壁板、床張り材など
4.低密度ポリエチレン (LDPE) ポリ袋、シックスパックリング(英語版)、
管材料など
5.ポリプロピレン (PP) 自動車材料、工業用繊維、食品容器など
6.ポリスチレン (PS) プラスチック製家庭用品、発泡スチロール、カフェテリア
トレーなど
7.その他のプラスチック(アクリル樹脂・ナイロン・ポリカーボネート・ポリ乳酸
(PLA)などバイオプラスチック)
終わりに
現在、官民ともに世界から後れを取るまじと、脱プラスチックに取り組んでいる。例えばレジ袋に、下記のような表示がある物も存在する。
この袋はサトウキビ由来のバイオマス成分を10%含んだレジ袋です。
「CO2排出削減」や「石油資源の節約」に貢献しています。
たった10%のバイオマス成分を声高らかに示しているのだから、我々の100%
バイオマス成分というのは、非常に誇れることだと考えている。
「CO2排出削減」や「石油資源の節約」に貢献しています。
たった10%のバイオマス成分を声高らかに示しているのだから、我々の100%
バイオマス成分というのは、非常に誇れることだと考えている。
弊社では、「できることから、少しずつ。」をスローガンに、「食べておいしく、地球にやさしいお弁当」を販売して行くことを目指す。
脱石油系プラスチック化を進めている旨をお客様にもご理解いただくことで、ある意味問題提起にもなり、またこうした考えを広めて行く
一助になればと願っている。
※画像左:弊社のオリジナルBOX外観。エコを考慮して、未晒しの紙を使用した/中:箱内側。蓋裏面に容器のコンセプトを明記、透明フィルムを和紙に/
右:PLAインナーの他、青笹の仕切りや紙製カップ、木製品を使用。
※「」商標登録番号:第6311017号
・本ページ(PLA容器のお弁当について)に掲載される個々の文章の著作権は、当社または原著作者に帰属します。
・本ページ(PLA容器のお弁当について)のコンテンツを当社、原著作者の許諾を得ることなく使用する行為(複製、引用、
改変、切除、公衆送信、他ウェブサイト・紙媒体への転載)は著作権法により禁止されています。
・以上のような著作権侵害行為を発見した場合には、営利非営利の目的いかんにかかわらず、法的手段を講じる場合が
ありますのでご注意ください。
・本ページ(PLA容器のお弁当について)のコンテンツを当社、原著作者の許諾を得ることなく使用する行為(複製、引用、
改変、切除、公衆送信、他ウェブサイト・紙媒体への転載)は著作権法により禁止されています。
・以上のような著作権侵害行為を発見した場合には、営利非営利の目的いかんにかかわらず、法的手段を講じる場合が
ありますのでご注意ください。